見終わった後、結果だけを受け止めて、今回こそ、ノアの、いや金剛のよい結果に終わるという願望は粉々になったんである。
でも、それはいくつかのことをきっかけに、「おや?おやおやおや?」と変わっていく。
一番最初は試合直後に、超緊急生配信として行われた拳王チャンネル。
それまでも、散々この興行にむけて発信してきた拳王さま。
試合の超直後の言葉は、「クソヤローども、本当に申し訳ない、情けない」だった。けれど清々しく「マット界の最高ユニットロスインゴをリスペクトしていたし、戦って負けたけれど、ロスインゴと内藤哲也を一層リスペクトしたよ」とも。
あー、拳王さま、ごめんよ。
あなたはいつも反骨魂から、悔しい想いを糧にここまでのし上がってきたのだった。それをファンも見て、共感して指示してきたのだ。
それに対するコメントも見逃せない。新日本のファンと思われる方からも「ここまでの盛り上げありがとう」とか「すごかった」、「ファンになった」といったようなコメントがやたらと。。。
そう巨大な敵に乗り込んで、ノアの日常的なプロレス、拳王さまだけじゃなく、金剛のプロレスは確実にこの日横浜アリーナに来た新日ファンにも、視聴者にも少しずつ届いていたのだ。
仮にそれがノアが見返りを求めて差し出したものであっても、金剛、そして拳王は、求められた仕事をやり遂げ、かつファンの心を掴んだに違いない。
それが中嶋にとっても、拳王にとっても、実に悔しいものだとしても、完璧にやり遂げたことは、ノア経営陣からの評価も上がったにちがいない。
そして、ノア経営陣の狙い、ノアのこの日新日本横浜アリーナ大会に乗り込んだ目的は、その翌日のノア横浜アリーナ大会で明らかになるのである。